くすみとは、肌の透明感や明るさがなくなってしまっている状態です。
頭皮や首の色と顔の肌色を比べてみて、顔色が暗く感じられればくすみが生じています。
くすみの原因は色々ですが、いくつかの原因が混合してくすみを引き起こすことが珍しくありません。
ここではくすみの原因ごとに対策をまとめます。思い当たる原因の対策をとることで、ぜひ美肌に役立ててください。
肌・顔のくすみ、原因と対策は?
血行不良によるくすみ
女性に多く見られるのが「血行不良」による青ぐすみです。
血流が滞ることで顔の赤みが消えて、青黒く、暗く見え、不健康な印象を与えます。血行不良は、冷え性のほか運動不足、睡眠不足、疲れやストレスによって引き起こされます。
血液には、体のすみずみの細胞に栄養を届ける役割があります。
血流が滞ることで肌細胞が栄養不足になり、代謝が遅れて古い角質が溜まりがちになることでも、くすみが生じます。
血行不良によるくすみ対策におすすめなのは、マッサージです。
マッサージクリームを使って指の滑りを良くし、少ない刺激で優しくマッサージします。
習慣にするのはもちろん、化粧ノリが悪い朝の応急処置として、2~3分マッサージしてからメイクするのでも違ってきます。
空いた時間に簡単な顔の体操をするのもいいですね。口に空気を入れて閉じたら、左右の頬に空気を移動させて交互に膨らませます。
これを左右1回で20回程度繰り返すだけで、顔の血行が良くなります。少しぬるめのお湯にゆっくり浸かるのも効果的です。
血行促進に有効なトウキエキス、イチョウエキス、トコフェロール、グリシンなどを含む化粧品を使ったり、いつも体を冷やさないように気をつける、運動を心がけるなど、血行が良くなる生活習慣を意識してみましょう。
青ぐすみが気になるときには、ピンク系のコントロールカラーでのメイクが肌色を明るくしてくれます。
<関連記事>:お肌・顔のくすみの原因は身近なアレだった・・・!
乾燥によるくすみ
乾燥は様々な肌トラブルの原因ですが、くすみもやはりそのひとつです。気候やオフィス環境、保湿不足、誤った洗顔法などで、肌の乾燥が進みます。
潤いは肌に透明感をもたらすだけでなく、肌を保護するバリアとしての役割があります。
乾燥して潤いが不足すればバリア機能が低下し、肌のキメが乱れて光が乱反射することで、顔がグレーっぽくくすんで見え、暗い印象を与えます。
乾燥によって新陳代謝が滞り、排出されない古い角質のせいでくすんで見える側面もあります。
乾燥によるくすみ対策は、なんといっても保湿です。保湿成分の豊富な化粧水をたっぷりと使ってケアしましょう。
肌の保湿力が低下している場合、セリンやグリシン、グルタミン酸、セラミド、コラーゲンといった美容成分をたっぷり角質層に届けるようにします。
肌のみずみずしさが戻り、乾燥によるくすみが解消されていきます。
気をつけたいのは洗顔による乾燥です。刺激の強い洗顔料を使う、熱いお湯で何度も流す、顔を擦るように洗ってしまう、タオルでゴシゴシと拭くといった方法では乾燥が進んでしまいます。
低刺激で優しく洗うこと、そして洗いすぎに注意しましょう。乾燥によるくすみをカバーできるのは、パープル系のコントロールカラーです。
<関連記事>:ココナッツオイルにUVカット効果があるって本当?
汚れによるくすみ
肌に汚れや皮脂が溜まっていたり毛穴が詰まっていると、肌の色がくすんで見えます。汚れにより肌にごわつきやかさつきが出て、テカリも生じます。
しっかりメイクが落としきれなかったり、メイクを落とさずに眠ってしまうなどの積み重ねでくすむほか、洗顔料や洗顔方法の影響も考えられます。
正しい洗顔で毎日の汚れを落とすことが大切で、場合によってはケミカルピーリングを利用して肌のターンオーバーを促し、蓄積された古い角質を取り除くのも有効です。
自宅でのセルフピーリングも可能ですが、ピーリング後の肌は敏感になりトラブルの可能性もあります。不安な方は美容皮膚科でプロの施術を受けるといいでしょう。
新陳代謝を促すために睡眠時間をしっかり確保し、生活リズムを整えることが大切です。
紫外線によるくすみ
紫外線はシミだけでなくくすみも生じさせます。紫外線によるくすみの特徴は、体調やスキンケアの質に関係なく、常に顔色が茶色っぽくなってしまう点です。
広範囲のシミのような状態で、顔の印象が暗くなります。
紫外線対策が十分でなかったり、長時間強い紫外線を浴び続けることで、日焼けや炎症の刺激によりメラニンが大量に発生・蓄積され、色素沈着を起こしています。
対策の基本は紫外線予防とスキンケアです。
日焼け止め、日傘、帽子などで対策するほか、室内での紫外線対策として遮光カーテンをつけたり、UVカットシールを貼るのが有効です。
くすんでしまった肌を改善するには、美白ケアで色素を取り除いていく必要があります。
ビタミンC誘導体やプラセンタエキス、トラネキサム酸、エラグ酸、コウジ酸などの美白成分配合の化粧品を使用して新陳代謝を促します。
皮膚科で相談すると、ハイドロキノン、レチノイン酸、ルミキシルクリームなどのより強力な美白成分の処方を受けることができます。
ただし効果が強いほど副作用のリスクも高まります。使用法をしっかり守るようにしましょう。
日焼けした肌では、保湿でバリア機能を取り戻すことも大切です。紫外線による茶黒いくすみは、イエロー・オレンジ系のコントロールカラーでカバーできます。
カルボニル化・糖化によるくすみ
顔色が黄色くなる「黄ぐすみ」の原因は、カルボニル化と糖化です。
カルボニル化とは、脂肪の分解物とタンパク質が結びつく反応、そして糖化は糖とタンパク質が結びつく反応を指し、これにより透明なタンパク質が黄色く変色することで、肌も黄色くくすみます。
カルボニル化は脂質の過剰摂取で、糖化はブドウ糖、砂糖など糖質の過剰摂取により起こり、そのほか紫外線の刺激や喫煙、ストレス、加齢なども、カルボニル化・糖化を促す原因です。
いずれの場合も、食生活の見直しを基本として、生活習慣の改善が必要になります。
脂質の多い肉や糖質が多い菓子類、ご飯や麺類などを減らすように意識しましょう。より糖質を減らすべく白米を玄米に、うどんをそばに変えるといった工夫に効果があります。
油を控えめにし、肌にいいと言われる野菜や果物、ナッツなどのビタミン類を多めに摂ってみましょう。
食事では野菜を最初に摂ることで、糖質の吸収が緩やかになります。
糖化してしまったコラーゲン繊維は元に戻せないので、美容皮膚科などで相談するのも一つの方法です。
黄ぐすみには、乾燥系の場合と同じくパープルのコントロールカラーでのメイクが有効です。
- 血行不良による青ぐすみにはマッサージや顔の体操
- 乾燥によるくすみには保湿を第一に、洗顔に気をつける
- 肌汚れによるひどいくすみにはピーリングが有効
- 紫外線がシミだけでなくくすみを生じさせることも
- カルボニル化、糖化での黄ぐすみは、食生活の改善が基本
