シミの種類、脂漏性角化症の原因や予防法について



顔に黒く盛り上がったシミがある高齢者の方を、よく見かけますよね。

これはシミの一種であり、「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」という名前がついています。「老人性疣贅(ゆうぜい)」「年寄りいぼ」などと呼ばれることもあります。


良性腫瘍のため放っておいても問題のないシミではありますが、脂漏性角化症があることで「余計に老けて見えるのが嫌」と感じることもあるのではないでしょうか。

特に美容を気に掛ける女性にとっては、悩ましいシミでもあります。


脂漏性角化症は、治療で取り除くことが可能です。まずは脂漏性角化症とはなぜ発生するのかを知ったうえで、治療法や予防法など、できることについて確認しておきましょう。


脂漏性角化症って?


脂漏性角化症ってどんなシミ?

皮膚の良性腫瘍のひとつで、年寄りいぼという名前の通り老化によって発生、増加します。

60代の方の80%、80代ではほぼ100%の方に脂漏性角化症が見られるといい、遺伝的要因で20代など若いうちにできる方もいます。


はじめは数mmだった小さなシミが年々少しずつ大きくなっていき、3cmほどにまで広がることもあり、痒みをともなうものもあります。

日光を浴びることが多い顔などに発生しやすい傾向ですが、日が当たらない胴体部分など体中にできる可能性があります。


いぼのようにざらざらとした感触で、色は薄茶~淡褐色~黒色、形は平らなものやボコボコしたものなど形状にバリエーションがあるのが特徴です。

老人性色素斑その他のシミと混在するケースが多く見られます。

脂漏性角化症の原因は?

脂漏性角化症の原因は、他のシミと同様紫外線の影響の積み重ねにあります。

幼少期~青年期に外で運動したり働く機会が多く、紫外線をたくさん浴びた場合には、皮膚の老化が早まって脂漏性角化症ができやすく、40~50代から見られることがあります。

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脂漏性角化症の治療法は?



脂漏性角化症の治療は皮膚科で受けることができます。

年々数が増え、大きくなるほど治療が大変になるので、まだ小さいうちに治療しておくのがおすすめです。

まずは診断

一般的なシミと呼ばれる老人性色素斑や、良性腫瘍のホクロ、悪性黒色腫の皮膚がん、その前段階である日光角化症などと見た目が似ているため、患者さん自身が脂漏性角化症を診断するのは難しいですが、医師であれば、ほとんどの場合見るだけで判断が可能です。


万が一のことを考え、悪性の疑いが少しでもある場合には特殊な拡大鏡であるダーモスコープ外部リンクを使用して、皮膚のメラニン色素や毛細血管状態を調べて判断します。

ジェルを塗って見るだけなので、痛みはありません。組織を一部採取・切除して、病理組織検査を行うこともあります。

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脂漏性角化症の治療法

数種類のシミが混在しているケースが多いこともあり、各治療法のメリット・デメリットを考慮したうえで治療法を選択する必要があります。

・液体窒素による凍結療法
患部に液体窒素をあて、凍結させてかさぶたを作り、1~2週間後にかさぶたと一緒に患部を自然に除去する方法です。

麻酔の必要がなく手軽なため一般的に行われていますが、治療が1回で終わらず数回繰り返すケースがあること、治療で痛みを感じる方もいること、炎症による瘢痕が残る可能性があり顔面には適用しにくい点に注意が必要です。

・レーザーによる切除術
ホクロやいぼの治療で使用される炭酸ガスレーザー(Co2レーザー)を照射して、細胞組織を蒸散させることで患部を除去します。

液体窒素と違って削る深さの調節ができ、患部に合わせて、かつ根本的に治療できるのがメリットです。顔面の治療に適しているとされます。


老人性色素斑と混在する場合、QスイッチYAGレーザーやアレキサンドライトレーザーなどと組み合わせて用います。

・電気焼灼治療
ホクロ治療に用いる電気メスを使用した切除術で、患部の表皮をごく薄く削り取ります。治療は10分程度、1,000~5,000円程度の自己負担で済み、だいたい2週間ほどで傷跡が回復してきます。

・外科的切除術
患部のサイズが大きく他の治療法が難しい場合には、メスで浅く切除する外科手術を行います。

広範囲な切除では皮膚移植を行うことがあります。小さいものでは5,000円、大きいものでも12,000円程度の自己負担で施術が可能です。

健康保険の適用が可能

美容目的のシミ治療には適用出来ない健康保険ですが、脂漏性角化症の場合、治療法によっては保険適用が可能です。

明らかに美容目的という治療以外の凍結療法、電気・金属メスによる外科切除術が対象となります。レーザーによる施術は、ほとんどの場合自己負担で行われます。

注意が必要なケース

脂漏性角化症は、前がん状態である日光角化症と判別しづらいことがあります。少しでも疑いがあれば、その他の治療法ではなく一部、もしくは全部を外科的に切除し、組織検査をしておいた方が安心です。

痒みを伴う脂漏性角化症が急にできた場合には内臓がんの症状である可能性があり、こちらも注意が必要です。

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脂漏性角化症を予防する方法はあるの?


紫外線対策とスキンケア

脂漏性角化症の原因は、紫外線のダメージや、光老化によって皮膚が厚く、色が濃くなっていく状態です。

出来るだけ早い年代から紫外線対策を重視し忘れないことが、脂漏性角化症の予防・対策になります。


日差しの強くない日でも日焼け止めを塗り、日傘や帽子などを利用して紫外線を避けましょう。

肌の乾燥は紫外線のダメージを強めます。保湿に心掛けること、美白化粧品の利用や、血行促進の工夫も対策になります。

これ以上増やさないケア

他のシミ対策と同様に、生活習慣の見直しが役に立ちます。タバコやストレス、睡眠不足に注意し、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

脂漏性角化症は、年々少しずつ大きくなり、数も増えていきます。出来れば年に一度肌をメンテナンスする習慣をつけ、目立つ場合には除去を考えてみるようにしてみてはいかがでしょうか。

<シミの種類、脂漏性角化症の原因や予防法について・まとめ>

  • 老化により増えるざらざらとして盛り上がったシミ
  • 紫外線ダメージの蓄積が原因
  • 少しでも皮膚がんの疑いがあれば病理検査した方が安心
  • 液体窒素やレーザーでの除去、電気、金属メスによる切除手術ができる
  • レーザー治療以外は健康保険の適応が可能
  • 早い年代からの紫外線ケアが対策に