「プラセンタ注射」は美容効果が高いと話題なので、やってみたい!と思う方も多いのではないでしょうか。
そもそも「プラセンタ」とは何か、どんな作用を持っているか知っていますか?
プラセンタ注射を打つとどんな効果があるのか、副作用はないのか、施術を受ける前に知っておきたいですよね。
今回は、プラセンタ注射の効果と、副作用や注意点を紹介します。
目次
プラセンタ注射はどんなもの?
美容効果が高いと言われる「プラセンタ注射」とは、どんなものでしょうか?
プラセンタとは?
プラセンタとは、赤ちゃんとお母さんをつないでいる「胎盤」のことです。
胎盤には赤ちゃんの成長に必要なアミノ酸やタンパク質や、ビタミン・ミネラルなどが豊富です。
医療・美容分野では、哺乳類の胎盤から栄養成分を抽出・精製したエキスを「プラセンタ」と呼んでいます。
プラセンタには、以下のような作用があります。
- 細胞活性化作用
- 活性酸素の除去作用
- 抗炎症・アレルギー作用
- 血行促進作用
- 免疫力の強化・疲労回復作用
- 自律神経・ホルモンバランスの調整作用
新陳代謝の促進や基礎代謝の向上などの作用もあり、美容・健康面でさまざまな効果が期待できます。
サプリメントやドリンク剤には馬・豚などの胎盤が使われますが、プラセンタ注射の薬液はヒトの胎盤から作られています。
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皮下注射・筋肉注射で打つ
プラセンタ注射は医療行為にあたるため、医療機関で打つ必要があります。
プラセンタを注入する方法は、以下の2種類です。
・皮下注射
注射薬を皮下組織に注入する方法です。筋肉注射と比べると痛みが少なく、費用も安く済みます。
皮下組織は血管が少ないので、薬液の吸収率が悪く吸収速度も遅いですが、副作用が出にくいです。
・筋肉注射
注射薬を皮膚の下にある、筋層に注入する方法です。皮膚の深い場所に打つので、痛みを感じやすいです。
筋層は血管が多く、薬液の吸収速度は皮下注射の2倍と、即効性があります。
病気の治療にも使われている
元々プラセンタ注射は、慢性の肝疾患や更年期障害を治療する為に開発されました。
肝機能障害や更年期障害の治療を目的としたプラセンタ使用の場合は、健康保険が適用されます。
国内で認可されているプラセンタは、「ラエンネック」と「メルスモン」の2種類です。
病気の治療目的では使い分けることもありますが、美容目的の場合は2つに大きな違いはありません。
プラセンタ注射にはどんな効果がある?
プラセンタ注射を打つと、どんな効果が期待できるのでしょうか?
美容面:美白やアンチエイジング
プラセンタには活性酸素の除去作用があるため、シミなどの原因となる「メラニン色素」の生成が抑えられます。
メラニン色素の排出もされやすくなるため、美白効果が期待できます。
また細胞の再生が促されたり新陳代謝が活性化することで、シワ・たるみなどのアンチエイジングに効果的です。
抗炎症作用も持っているので、ニキビの改善効果もあります。
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健康面:肩こりや冷え性の改善
プラセンタ注射を打つと、健康面にもプラスの効果があります。
プラセンタが持つ血行促進作用によって、血液が体の隅々まで行き届くようになり、冷え性の改善に有効です。
疲労回復の作用もあるので、腰痛や肩こりの改善など、体調管理にも効果を発揮します。
抗アレルギー作用によって、花粉症やアレルギー症状の緩和も見込めます。
メンタル面:不眠症や心身症の改善
美容や健康面だけでなく、プラセンタを注入することで、メンタル面にも効果をもたらします。
プラセンタには自律神経やホルモンバランスを調整する作用があり、不眠症や自律神経失調症などの改善にも役立ちます。
プラセンタ注射の副作用・注意点は?
プラセンタ注射にはさまざまな効果がある反面、副作用や施術を受ける時の注意点があります。
発疹や悪寒の症状が出る場合がある
プラセンタエキスの成分による大きな副作用は、今のところ報告されていません。
しかしまれに、発疹・悪寒・吐き気・発熱などの症状が出るケースがあります。
また注射後に、注射部位に痛みやしこりを感じることがありますが、症状は遅くても数日で治まります。
アレルギー体質の方は要注意
プラセンタの注射薬には、アミノ酸をはじめとするタンパク質が多く含まれています。
アレルギー体質の方がプラセンタ注射を打つと、喘息などのアレルギー症状が悪化する可能性があります。
アナフィラキシー症状を起こす場合もあるので、プラセンタ注射を打つ時は注意しなければなりません。
静脈注射・カクテル注射はNG!
プラセンタの注射方法を2種類説明しましたが、薬液を血管に直接入れる「静脈注射」は認可されていません。
静脈に注入した場合、血圧の低下や呼吸困難、ホルモン異常などの症状が起こる場合があります。
静脈注射は美容成分が体の外に排出されるまでの時間も短く、十分な効果が期待できません。
またビタミン剤など、他の美容成分と混ぜる「カクテル注射」も認められていません。
複数の成分が入っているのでお得に感じますが、カクテル注射は静脈注射や点滴などで、直接血管に注入することが一般的です。
結果として、静脈注射と同じようなリスクが発生します。
この2つの注射方法は副作用のリスクを高めるので、避けたほうが安全です。
定期的な通院が必要
プラセンタ注射の効果は、注射の種類や個人差もありますが、施術の開始直後だと2~3日しか持ちません。
最初のうちは週2回、効果が定着してくる2~3ヶ月目以降は、週1回の注射を続けるのが一般的です。
このように、プラセンタの効果を持続させるためには、定期的に施術を受け続けなくてはなりません。
また美容目的でプラセンタ注射をする場合は、自由診療の扱いとなります。
健康保険が適用できないので、医療機関が独自に設定した金額を、すべて自費で支払います。
プラセンタの費用は1回あたり2,000円~3,000円が相場です。年間で考えると、10万~25万円になります。
定期的に通院する必要があるので、時間と維持費がその都度かかることを頭に入れておく必要があります。
献血・臓器提供できなくなる
プラセンタ注射を一度行うと、その後は原則として、献血や臓器提供が出来なくなります。
注射に使われるプラセンタエキスはヒトの胎盤から抽出されているため、感染症のリスクを避ける措置として厚生労働省が定めています。
献血・臓器提供が不可なのはヒト由来のエキスが使われる、プラセンタ注射薬のみです。
サプリメントなどに配合されているプラセンタは、馬や豚などの動物性、あるいは植物性由来のエキスを使っているため対象外です。
<関連サイト>:公益社団法人日本臓器移植ネットワーク
以上、プラセンタ注射の効果と副作用・注意点について見てきました。
あらゆる美容・健康効果があると分かりましたが、その反面、副作用のリスクや注意点もあります。
成分や投与方法を事前にしっかり確認してから、施術を受けましょう。
- プラセンタの注射薬は医薬品で、ヒトの胎盤から作られている
- 投与方法は、皮下注射と筋肉注射の2種類、静脈注射はNG
- 美白やアンチエイジングのほか、健康面にも効果が期待できる
- 発疹や悪寒、アレルギー症状などの副作用のリスクがある
- プラセンタ注射後は、原則として献血・臓器提供できなくなる
