海や自然が楽しめるハワイは、年間100万人以上の日本人が訪れるほど人気の観光地です。
そのハワイで「日焼け止めを禁止する法律」が成立したことを知っていますか?
なぜ日焼け止めが禁止になるのか、ハワイで日焼け止めは使えなくなるのか、気になりますよね。
今回は日焼け止め禁止の理由や、ハワイで日焼け止めを使いたい場合の対策を紹介します。
目次
どうしてハワイで日焼け止めが禁止なの?
なぜハワイで日焼け止めが禁止になるのでしょうか?禁止とは、どんな内容を指すのでしょうか?
日焼け止めがサンゴ礁に悪影響を与えるから
一般に流通している日焼け止めの中には、サンゴ礁が「白化」する原因となる、有害な成分が含まれる商品があります。
「サンゴ礁の白化」とは文字通り、サンゴ礁が白くなってしまう現象です。
サンゴ礁は酸素や栄養が不足すると白化し、やがて死んでしまいます。
この原因として考えられるのが、地球温暖化による水温の上昇、水質汚染、自然災害などです。
特に日焼け止めに含まれる有害な成分は、水質汚染の原因となり、サンゴ礁の死滅につながります。
これを防ぐために、日焼け止めの禁止が決定されました。
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2021年から施行、禁止する成分が指定されている
2018年7月、サンゴ礁に有害な成分が含まれた日焼け止めを、ハワイ州全土で禁止する法案が成立しました。
日焼け止めの禁止は全米で初の措置となり、2021年1月1日から法律が施行されます。
この法律により、「有害性」のある市販の日焼け止めの流通・販売が禁止になります。
「有害」と条件がついているので、すべての日焼け止めが禁止されるのではありません。
この法律には、禁止する成分名が指定されており、後ほど詳しく説明します。
有害成分が含まれていない日焼け止めは、今まで通り流通・販売されるので、買うことができます。
また医師から処方された日焼け止めの場合は、禁止成分が入っていても法律の対象外となります。
禁止に関しては賛否両論ある
日焼け止めを規制することで、サンゴ礁の白化を本当に防げるのでしょうか?
ハワイ州内では多くの環境保護団体が今回の法律を支持していますが、一方で反対の声も数多くあります。
法案を作る時の根拠となったサンゴ礁の調査結果数が、あまりに少ないと指摘されています。
これに対して、日焼け止めの皮膚がん予防効果を示す研究結果は数多くあり、日焼け止めとサンゴ礁の関係をもっと調査すべきという意見があります。
またサンゴ礁の白化の原因となる水質汚染は、生活排水や漂流ごみなど、日焼け止め以外の影響も大きいです。
水質汚染以外にも海水温の上昇など、複数の要因が考えられるため、禁止に疑問を持つ専門家もいます。
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ハワイで禁止されるのはどんな日焼け止め?
先ほど書いたように、流通・販売を禁止する成分は法律で定められています。
どんな成分が入った日焼け止めが禁止なのでしょうか?
「オキシベンゾン」を使用した日焼け止め
オキシベンゾンは、日焼け止めやファンデーションなどの化粧品に配合されている、紫外線吸収剤です。
この成分には発がん性や、アレルギーのリスクが指摘されています。
肌に塗った時に体内へ吸収される量が多いため、現在ではあまり使用されていません。
しかし日本で流通している日焼け止めや化粧品の一部には、まだこの成分が配合されています。
「オクチノキサート」を使用した日焼け止め
オクチノキサートは、化粧品などでは「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」と表記されています。
多くの日焼け止め、特にSPFの数値が高い商品に、ほとんど配合されている紫外線吸収剤です。
オキシベンゾンより安全性が高いと言われていますが、人体に決して害がないとは言い切れません。
禁止される日焼け止めは3500種類以上
ハワイ州全土で禁止対象となる日焼け止めは、3500種類を超えると見られています。
その中には「コパトーン」など、有名な日焼け止めも含まれています。
法律の施行後は、ドラッグストアなどで日焼け止めが買いづらくなる・種類が減ることが考えられます。
法案の成立を受けて日本でも、禁止成分を使わない日焼け止めの開発を始めている会社もあります。
ハワイで日焼け止めはどうすべき?
ハワイの紫外線量は、日本の4~5倍と言われています。日焼け止めを塗らないと、皮膚がんのリスクもあります。
ハワイで日焼け止めを使いたい場合は、どうすれば良いのでしょうか?
日本から日焼け止めを持ち込むことは可能
成立した法律の内容を見ると、観光客が持ち込む日焼け止めは規制の対象外となっています。
ただし持ち込んだ日焼け止めに禁止成分が配合されていた場合、使っても良いのか法律に明記されていないようです。
禁止成分が入った日焼け止めを使った場合、罰則があるのかという点もはっきりとした言及はありません。
2018年8月現在で公表されている法律では、国外からの持ち込みは規制対象外とされていますが、いずれ規制がかかる可能性はあります。
安全な日焼け止めを紹介するハワイの取り組み
ハワイでは日焼け止めの規制と同時に、サンゴ礁に優しい日焼け止めを周知する取り組みを行っています。
2018年4月、ハワイアン航空は日焼け止めメーカー「RAW ELEMENTS USA」のサンプルを、航空利用者に配りました。
また禁止成分が配合されていない、無料の日焼け止めディスペンサーを設置しているホテルもいくつかあります。
法律が施行されてもハワイで使える日焼け止めは?
現段階で確実に使えるのは、現地のホテルやプールに設置されている、サンゴ礁に優しい日焼け止めです。
しかし外出先で塗り直すためにも、持ち運べる日焼け止めは必要です。
ハワイで安心して使うには、「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めを選びましょう。
以下に、紫外線吸収剤フリーの日焼け止めを紹介します。
・ハワイの海を満喫したい方に
- 商品名:「UVシールドEX」
- ブランド名:NOV(ノブ)
- SPF・PA:SPF50+・PA++++
- 内容量:30g
- メーカー:常盤薬品工業
- 価格:2,700円 ・公式サイト「NOV(ノブ)」
紫外線吸収剤不使用で、しっとりとした使い心地の日焼け止めです。
SPFの数値も高くウォータープルーフタイプなので、海でも安心して使えます。
・家族全員で使いたい方に
- 商品名:「エーデルワイス UVプロテクト」
- ブランド名:WELEDA(ヴェレダ)
- SPF・PA:SPF38・PA++
- 内容量:50ml
- メーカー:WELEDA
- 価格:2,484円 ・公式サイト「 WELEDA(ヴェレダ)」
紫外線吸収剤だけでなく、合成された保存料・香料なども不使用のオーガニック商品です。
生後1ヶ月の赤ちゃんにも塗ることができる、肌にも環境にも優しい日焼け止めです。
以上、ハワイで日焼け止めが禁止になる理由と、日焼け止めを使いたい場合の対策を見てきました。
紫外線量の多いハワイでは、皮膚ガン予防などのためにも日焼け止めは必要です。
紫外線を防ぎつつ、サンゴ礁の環境も守れる日焼け止めを使って、安心してハワイを楽しみましょう。
- ハワイで日焼け止めが禁止になるのは、サンゴ礁に有害なため
- 2021年1月から法律が施行、有害性のある日焼け止めが禁止
- 禁止成分は、オキシベンゾンと、オクチノキサート
- 現段階では、日焼け止めの持ち込みは規制の対象外
- 紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは、肌にも環境にも優しい
