化粧品などでよく見かける「アルブチン」は、高い美白効果を持つ成分です。
美白効果をもたらす成分は数多くありますが、アルブチンは美白に対してどんな作用があるのでしょうか?
また美白効果が高い成分と聞くと、肌への刺激が強くないか、副作用はあるのか心配ですよね。
今回は、アルブチンの効果と副作用・注意点を紹介します。
目次
アルブチンってどんな成分?
多くの美白化粧品に配合されている「アルブチン」とは、どんな成分なのでしょうか?
ハイドロキノンを参考に開発された美白成分
アルブチンは美白成分「ハイドロキノン」を参考に開発された、厚生労働省が認可している美白成分です。
高い美白効果がある反面、副作用のリスクもあるハイドロキノンよりも、安全な成分として作られました。
この経緯から「ハイドロキノン誘導体」とも呼ばれるアルブチンは、肌に優しい美白成分として注目されています。
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アルブチンには2種類ある
アルブチンは「β-アルブチン」と「α-アルブチン」の2種類に分けられます。
β-アルブチンは化粧品会社「資生堂」が開発し、特許を取得した医薬部外品の美白有効成分です。
コケモモなどの植物から抽出した天然成分で、一般的に「アルブチン」と表記されるものはβ-アルブチンを指します。
現在は特許が切れており、色々なメーカーの化粧品に安価で使われています。
一方、β-アルブチンよりも歴史の浅いα-アルブチンは、製菓会社「江崎グリコ」が開発した人工の成分です。
肌なじみが良く安心して使用できるので、近年ではα-アルブチンが配合された化粧品が主流になっています。
β-アルブチンの約10倍の美白効果があると言われ、価格も高いのが特徴です。
アルブチンの美白効果は?
アルブチンは、どのように作用して美白効果をもたらすのでしょうか?
またアルブチンが配合された化粧品を選ぶ時は、どんな点に注目すると良いのでしょうか?
シミを予防する効果がある
アルブチンは、シミの原因となるメラニン色素を作り出す酵素「チロシナーゼ」の働きを抑える作用を持っています。
紫外線などのダメージを肌に受けると、チロシナーゼが本来は無色である「アミノ酸」にくっついて、これを黒色のメラニンに変化させます。
黒色メラニンが肌に色素沈着すると、シミが出来てしまうのです。
チロシナーゼを阻害するアルブチンは、メラニンの生成そのものを予防するので、高い美白効果があるのです。
アルブチンは2種類ありますが、どちらも同じようにシミの予防に効果的です。
アルブチン配合の化粧品を選ぶポイントは?
アルブチンは化粧水やクリーム、美容液などさまざまな基礎化粧品に含まれています。
アルブチンを配合した化粧品を選ぶ時は、美白効果を高める成分が一緒に含まれているか確認してみましょう。
特にオススメの成分は、アルブチンと同様にメラニンの働きを抑える作用を持つ「ビタミンC誘導体」です。
ここで注目したいのが、アルブチンとビタミンC誘導体のメラニン抑制方法の違いです。
アルブチンは黒いメラニンが作られないように働き、ビタミンC誘導体は黒くなったメラニンを「無色化」します。
アルブチンとは異なるメラニン抑制成分を取り入れることで、効果的にシミを予防できます。
<関連記事>:美白成分、ビタミンC誘導体について
アルブチンで美白効果を高めるには?
アルブチンを使いつつ、より美白効果を上げるためにはターンオーバーを整えることが大切です。
肌の奥で黒くなってしまったメラニンには、アルブチンの効果は期待できません。
肌の生まれ変わりを促して、メラニンが色素沈着せず排出されるように手助けしましょう。
また日焼けしてしまった場合は、アルブチンが配合された化粧品をなるべく早めに塗ってください。
肌が黒くなるまでには24~72時間程度かかるため、24時間以内にケアするとメラニンの過剰発生を抑えられます。
<関連記事>:【お肌の生まれ変わり】ターンオーバーと美白・シミの関係
アルブチンの副作用・注意点は?
安全性を重視したアルブチンでも、副作用が全くないとは言い切れません。
高い美白効果を持つアルブチンを正しく使うには、どんなことに注意すれば良いのでしょうか?
副作用のリスクは少ない
アルブチン開発の元になったハイドロキノンは高い美白効果がありますが、副作用が起こる可能性も大きいです。
ハイドロキノンを使用する時は、皮膚の色が白く抜ける「白斑(はくはん)」などに注意する必要があります。
一方アルブチンは、開発された経緯からも分かるように安全性が高く、重篤な副作用の報告もありません。
ハイドロキノンよりも美白効果は穏やかですが、肌への負担も少ないのがアルブチンのメリットです。
しかしまれに赤みやかゆみの症状が出るケースがあるので、初めて使う時は肌の様子を見ながら使いましょう。
<関連記事>:美白化粧品は要注意?!白斑の症状とその原因とは?
既にあるシミを消す効果はない
アルブチンとハイドロキノンは、どちらも高い美白効果があります。
しかしアルブチンは、既に出来てしまったシミを薄くすることには不向きです。
黒いメラニンが作られないように働きかけるアルブチンは、シミの「予防」に適した成分です。
シミの改善にはハイドロキノンを部分的に、予防にはアルブチンを顔全体に塗るなど使い分けると良いでしょう。
パッチテストしてから使う
安全性が高いアルブチンでも、大量に使ったり濃度が高いものを使えば、肌への刺激になります。
特に医療機関でシミ治療のために処方されるアルブチンは、市販の化粧品よりも高濃度です。
腕など目立たない場所でパッチテストをしてから、顔に使用するのが良いでしょう。
市販の化粧品・医師からの処方品どちらの場合でも、用法・用量を守って使ってください。
以上、アルブチンの効果と副作用・注意点を見てきました。
アルブチンの長所は安全性が高く、シミを元からブロックできる点です。
ビタミンC誘導体などが一緒に配合された化粧品を選んで、シミのない美肌を目指しましょう。
- アルブチンはハイドロキノンを参考に開発された美白成分
- チロシナーゼを阻害してメラニン生成を抑える作用がある
- メラニンを無色化するビタミンC誘導体と併用すると良い
- シミ予防に適した成分なので、シミ改善には効果が薄い
- 副作用は少ないが、用法・用量を守って使うことが大切
