女性なら誰しも、透き通るような白さの美肌になりたいと願うものです。
美肌を目指す人なら聞いたことがある「チロシナーゼ」は、その働きを抑えることで美白につながるといわれています。
チロシナーゼとはどんなもので、私たちの肌とどのような関係があるのでしょうか?
チロシナーゼの働きを抑制することのメリット、デメリットについても見ていきましょう。
目次
チロシナーゼは美肌の敵?
チロシナーゼとは、メラニン生成に欠かせない酵素のことです。メラニンと聞くとシミを連想する方も多いと思います。
確かに過剰なメラニンはシミやそばかすの原因になりますが、肌を守る大切な役割を果たすものでもあります。
チロシナーゼとメラニンが肌に与える影響について考えていきましょう。
チロシナーゼとは?
チロシナーゼとは、シミの原因となるメラニンを作り出す酵素のことです。
皮膚に紫外線が当たると、皮膚の表面で活性酵素が生まれます。
活性酵素は色素細胞であるメラノサイトを刺激し、チロシナーゼの生産を活性化させます。
そして、チロシナーゼがメラノサイトの中のチロシンと結合して黒色メラニンを生産します。
つまり、メラニンの生成にチロシナーゼは必須というわけです。
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肌に与える影響は?
メラニンが作られることは人間にとって正常なことで、紫外線を浴びると肌が黒くなるという日焼けが起こることからも理解できます。
メラニンには紫外線を吸収する性質があり、肌をダメージから守るという役割を担っています。
健康な肌で正常な範囲の日焼けなら、メラニンは肌の代謝によって肌表面からはがれ落ちます。
しかし、大量の紫外線を浴びてメラニンが過剰に作られると、肌のターンオーバーが遅れ、メラニンが肌表面に沈着したままになり、シミやそばかすへと変化してしまうのです。
チロシナーゼによるメラニン生成は、紫外線によるものだけではありません。
大気汚染やストレス、過労、睡眠不足などによってもチロシナーゼは活性化し、メラニン生成につながります。
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チロシナーゼの働きを抑えるには?
ここまで読むと、「美白のためにはチロシナーゼを抑えることが重要!」と分かります。
チロシナーゼを効果的に抑えるには、どうすればいいのでしょうか?
美白成分「ハイドロキノン」を取り入れる
「ハイドロキノン」は、チロシナーゼに直接作用する美白成分です。
チロシナーゼを抑制してメラニン生成を抑えることができ、できてしまったシミにも効果があるとして注目されています。
ハイドロキノンは、色素細胞であるメラノサイトの活性化を抑制することで、メラニン生成を抑えます。
また、チロシンからメラニンが作られる過程をブロックする働きもあります。
つまりハイドロキノンは、紫外線や大気汚染の外側からの刺激だけでなく、ストレスや睡眠不足など内側からの刺激によるメラニンの生成も抑制してくれるというわけです。
このハイドロキノンは、「肌の漂白剤」や「究極の美白成分」ともいわれ、美白ケアとしてたくさんの化粧品や薬に用いられています。
肌に塗ってダイレクトに働きかけるハイドロキノンを配合した化粧品を用いれば、効果的にチロシナーゼの働きを抑えることができます。
ただし、ハイドロキノンは安全性が高いといわれているものの、高濃度のタイプや使用頻度が高くなると、赤みやかゆみといった皮膚炎を起こす可能性があります。
長期使用する場合は、医師に相談することをおすすめします。
市販のものより病院の処方の方が、ハイドロキノンの配合率が高くなっているため、効果が得られやすいメリットもあるからです。
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チロシナーゼは不足してもダメ?
美白のために働きを抑制したいチロシナーゼですが、チロシナーゼが不足しメラニン色素が減少すると、髪の毛の黒色が抜けて白髪になってしまいます。
これは、年齢と共にチロシナーゼが減少していくことから考えても明らかです。
白髪を予防するためには、美白とは逆の効果を促す必要があります。つまり、メラニンが多く生成される環境を作るのです。
昆布やひじきなどの海藻類は、メラノサイトの活動を促すホルモンに必要なヨード(ヨウ素)を多く含みます。
海藻類以外にも、イワシやサバなどの魚介類にも含まれます。
メラニン色素の原料となるチロシンは、抗ストレス作用もあるため、ストレスなどの内側のからの白髪の予防に効果的です。
チロシンはアミノ酸の一種で、チーズなどの乳製品に多く含まれます。
その他に、バナナやアボカドなどの果物、かつお、まぐろ、たらこ、ちりめんじゃこなどの魚介類、大豆・ナッツ類にも含まれます。
また、銅はチロシナーゼの働きを活発化してくれます。
体内では作ることができない成分のため、豆類、ごぼうやモロヘイヤなどの野菜類、そばやさつまいもなどの穀類、えびやカニなどの魚介類をはじめとした食品から摂るようにしましょう。
日常生活では何を気を付ける?
化粧品や薬などに頼らなくても、日ごろのちょっとした心がけで、美白や美肌を保つことができます。
日常生活では以下の点に注意してみましょう。
紫外線を避ける
地上にもたらされる紫外線は年々増えているといわれています。
それゆえ夏場だけでなく、冬場もしっかりと紫外線対策をすることが必要です。
帽子や日傘、サングラス、UVケア化粧品などで紫外線を浴びる量を減らすことはもちろんですが、紫外線の強い時間に不要な外出を避けることも忘れてはいけません。
また乾燥した肌は、バリア機能が失われ紫外線の影響を受けやすくなるため、普段から保湿も怠らないようにして下さい。
紫外線を浴び、ダメージを受けた肌に対しても十分なケアが大切です。
ストレスをためない
現代は深刻なストレス社会と言われていますが、ストレスをため込まないことはとても大切です。
強いストレスを受けると自律神経の働きが乱れ、脳の下垂体から分泌される副腎皮質刺激ホルモンの量が増加につながります。
これが色素細胞のメラノサイトを刺激して、チロシナーゼを活性化させ、メラニン色素をたくさん生み出してしまいます。
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生活習慣の見直し
若々しい肌を保つためには、肌のターンオーバーを正常に保ち、メラニンを肌にため込まないことが重要です。
そのためには、規則正しい生活習慣を心掛ける必要があります。
規則正しい生活習慣は、女性ホルモンのバランスを整え、ターンオーバーの機能を高めることができます。
バランスのよい食事を摂り、適度な運動を心がけ、しっかりと睡眠をとりましょう。
- チロシナーゼとはメラニンを作り出す酵素のこと
- 過剰なメラニンは、シミやソバカスの原因になる
- チロシナーゼが不足すると白髪になる可能性がある
- 美白成分「ハイドロキノン」は、チロシナーゼの抑制に効果的
- チロシナーゼの生成を抑制するためには、紫外線を避け、生活習慣を見直すことが大切
