美容やアンチエイジングに興味を持っている人であれば、「コエンザイムQ10」という成分を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
この成分は美容サプリや化粧品などに幅広く配合されており、シミ対策や美白にも効果があるといわれています。
コエンザイムQ10がどのような成分なのかをふまえ、その美容効果や効率的な摂取方法についてチェックしましょう!
目次
コエンザイムQ10ってどんな成分?
さまざまな美容サプリや化粧品に有効成分として配合されているコエンザイムQ10ですが、一体どのような成分なのでしょうか。
コエンザイムQ10の歴史や特徴、働きについて見ていきましょう。
コエンザイムQ10とは
コエンザイムQ10は、私たちの生命活動を維持するのに欠かせない物質であり、もともと私たちの体に備わっている成分です。
現在では美容分野でよく利用されていますが、かつては「ユビキノン」という名前で心臓病治療のための医薬品としても活躍していました。
コエンザイムQ10はもともとアメリカで発見された物質ですが、現在では美容と健康を支える有効成分として世界中で広く利用されています。
日本でもコエンザイムQ10を安全かつ効率よく生産する方法が考案されたり、さまざまな製品が開発されたりするなど、研究が活発に行われています。
このように、コエンザイムQ10は日本のみならず世界中が注目する成分なのです。
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コエンザイムQ10の働き
コエンザイムQ10は、生物が生命を維持するのに欠かせない働きを担っています。
その主な働きとして、「エネルギーの生産」と「抗酸化作用」の2つが挙げられます。
私たちは食べ物を消化・吸収したり運動したりと、毎日さまざまな活動をしています。
これらの活動にはエネルギーが必要なのですが、このエネルギーは細胞のミトコンドリアという部分で作られます。
ミトコンドリアでは主に食べ物から得た栄養を、酸素を消費して分解することでエネルギーを作り出しており、このときにコエンザイムQ10が必要になるのです。
コエンザイムQ10が不足してエネルギーが十分に作られなくなると、細胞の機能が低下したり、傷ついた細胞の修復ができなくなったりします。
コエンザイムQ10はエネルギー生産という役割を通して、細胞と体の健康を維持しているというわけです。
また、エネルギー生産の際に使用される酸素のうち、約5%は活性酸素という物質に変わってしまいます。
活性酸素は細胞に大きなダメージを与える物質であり、細胞が老化する原因の1つに数えられています。
活性酸素を取り除く作用を持つ抗酸化物質にはビタミンCなどがありますが、実はコエンザイムQ10も抗酸化作用を持っており、有害な活性酸素を消去することができます。
コエンザイムQ10は老化の促進を防いでくれる物質でもあるのですね。
加齢によって減少する
コエンザイムQ10は私たちの体にもともと備わっている物質ですが、残念ながら年齢とともに体内での生成量は減少してしまいます。
例えば、心臓を動かすエネルギーを作るために生成されるコエンザイムQ10の量は、20代にピークを迎えた後、徐々に減少し、40代ではピーク時の70%、80代ではピーク時の50%にまで低下してしまいます。
もちろん、体内のコエンザイムQ10量の減少は、心臓だけでなくさまざまな臓器や組織で起こります。
全身の細胞の老化を防ぎ健康と美しさを維持するためは、体内のコエンザイムQ10だけに頼らず、食事やサプリメントから摂取することが重要です。
シミに効く?コエンザイムQ10の美容効果
医薬品として使われていた歴史もあるコエンザイムQ10ですが、現在では美容サプリメントや化粧品にも多く使われています。
では、美容面ではどのような効果が期待できるのでしょうか。
その1:美白効果
シミは、「メラニン」という黒色の色素が肌の組織に留まり続けることで発生します。
メラニンは紫外線などの刺激によって過剰に生成されるのですが、肌のターンオーバーが正常に機能していれば、新陳代謝によって体の外に排出されます。
しかし、肌に紫外線などの刺激が加わると、メラニンの合成と同時に活性酸素も発生してしまいます。
活性酸素は肌の細胞を傷つけるため、新しい皮膚の細胞を作り出したり老廃物を排出したりといったターンオーバーの機能を低下させてしまいます。
ターンオーバーが乱れると、メラニンが排出されにくくなり、シミや黒ずみの原因となってしまうのです。
コエンザイムQ10は高い抗酸化作用を持っており、活性酸素を取り除くことで肌のターンオーバーの乱れを防ぐことができます。
また肌のターンオーバーを促進する働きもあるため、シミのもとになるメラニンが肌の組織に留まり続け、シミや黒ずみになるのを防ぐことができるのです。
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その2:シワ・たるみの予防
活性酸素が肌に与える悪影響は、肌のターンオーバーの乱れだけではありません。
活性酸素は肌の潤いを保つために必要な、コラーゲンやエラスチンといった物質の生成を阻害してしまうのです。
これらの潤い成分の量が減少すると、肌の水分量や皮脂量も減少してしまいます。
すると、肌はハリやツヤを保てなくなってしまうため、シワやたるみが発生しやすくなってしまうのです。
高い抗酸化作用を持つコエンザイムQ10は活性酸素を除去できるため、コラーゲンやエラスチンの生成を正常化し、シワやたるみの発生を予防することができます。
コエンザイムQ10は美白効果だけでなく、美肌効果も期待できる成分なのですね。
コエンザイムQ10を効果的に摂取するには?
コエンザイムQ10は、美白効果や美肌効果が期待できる優秀な成分です。
では、コエンザイムQ10はどのように摂取すると体内で効果的に働いてくれるのでしょうか。
食事やサプリメントからの摂取
コエンザイムQ10は人以外の生物にも存在しているため、肉や魚といった食材にも広く含まれています。
しかし、日本人の一般的な食生活では1日に約2mg程度しかとれませんので、食事だけでコエンザイムQ10を補うのは難しいといえます。
栄養バランスのよい食事に加えて、コエンザイムQ10が配合されたサプリメントを摂取するとよいでしょう。
コエンザイムQ10は、水に溶けにくく油に溶けやすいという性質をもっています。
また、空腹時には十分に体内に吸収することができません。
サプリメントから効率よくコエンザイムQ10を吸収するためには、油分を含んだ食事の直後に摂取することが大切です。
また、美肌に欠かせない栄養素であるビタミンCやビタミンEは、コエンザイムQ10がないと正常に機能しないことが分かっています。
コエンザイムQ10とともにこれらの栄養素を積極的に摂取し、美肌効果をアップさせましょう。
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化粧品からの摂取
コエンザイムQ10の美白効果を十分に活用したい場合は、血液内で成分が薄まってしまう経口摂取よりも、化粧品を利用して肌から直接取り入れる方法がおすすめです。
シミやシワといった老化が気になる部分にピンポイントで塗れば、集中的なアンチエイジング効果が期待できます。
塗るタイミングとしては、角質が柔らかくなっているお風呂上りがベストです。
成分の浸透率が高いので、効率よくコエンザイムQ10を肌に届けることができますよ。
また、紫外線のダメージを受ける外出前のスキンケアにも、コエンザイムQ10配合の化粧品は重宝します。
しっかりと浸透させ、シミを予防しましょう。
コエンザイムQ10の安全性は?
コエンザイムQ10の歴史は長く、約50年にわたって世界中で広く利用されていますが、過剰摂取による深刻な副作用やアレルギーが発生したという報告はありません。
健康食品や化粧品に含まれる物質としては、非常に安全性の高い成分であるといえるでしょう。
ただし化粧品の場合、高濃度になるほど肌への負担が大きくなってしまいます。
もともと体の中に存在する物質ですので重大なリスクはありませんが、安心して使える成分内容の化粧品を選ぶようにしましょう。
コエンザイムQ10は、抗酸化作用や新陳代謝の活性化というアンチエイジングの面から美白を促してくれる成分です。
シミや黒ずみの対策とともに、シワやたるみを予防したい人にはぴったりですね。
化粧品やサプリメントから積極的に取り入れ、若々しく美しい肌をキープしましょう!
- コエンザイムQ10は抗酸化作用を持ち、細胞の老化を防いでくれる
- 年齢とともに生成量が減少するため、食事やサプリメントからの摂取が必要
- ターンオーバーの乱れを防ぎ、新陳代謝を活発にすることでシミを予防する
- 肌の潤い成分を活性酸素から守るので、シワやたるみを予防することもできる
- コエンザイムQ10の美白効果を利用するなら化粧品からの摂取がおすすめ
