昔から日本人にさまざまな用途で利用されてきた米ぬかは、近年では美容成分として再び注目されています。
米ぬかの美容効果やその活用法について、詳しく説明します。
目次
米ぬかの美容効果って?
米ぬかは健康に良いだけでなく、美容効果もあると言われています。
どんな成分が含まれていて、どんな作用をするのでしょうか?
米ぬかってどんなもの?
米ぬかは、玄米を白米に精米したときに出る茶色の粉末です。
米ぬかには、玄米の果皮と胚芽部分が含まれています。
精米すると、玄米の約10%が米ぬかになり、米のデンプン貯蔵組織である白米が残ります。
米ぬかには、食品、化粧品、洗剤、土壌改良剤などの多くの用途があり、近年は医薬品の材料としても使われています。
<参考サイト>:こんなにすごい!米ぬかのチカラ|お米マイスター 全国ネットワーク
米ぬかに含まれる美容成分とは?
米ぬかの美容成分として重要なものに「セラミド」があります。セラミドは生物の細胞膜に多く含まれる成分です。
人の角質にある細胞間脂質の約半分がセラミドで、肌の保湿機能とバリア機能を担(にな)っています。
角質のセラミドは年齢とともに減少し、それが乾燥肌やトラブル肌の原因になります。
「米ぬかセラミド」は減少した角質のセラミドを補う優れた美容成分です。
米ぬかには、水を抱え込む作用が大きい「オリザブラン」という多糖類が含まれていて、これも肌の保湿効果が大きい美容成分です。
また米ぬかには「γ-オリザノール」という抗酸化成分も含まれています。
γ-オリザノールは米ぬかに特有の成分で、紫外線や活性酸素の害から肌を守り、シミを予防する効果があります。
γ-オリザノールは、皮脂の酸化を予防して肌への刺激を防ぐ点からも、シミの予防や改善効果が期待できます。
米ぬかは栄養の宝庫!
米ぬかは、食品としても栄養が豊富で、その中には美容・美白に効果がある成分が数多く含まれています。
米ぬかの栄養素としてまず注目したいのが、ビタミンB群の豊富さです。
特に皮膚や粘膜の健康維持に欠かせないビタミンB1と、血行を促進して肌の新陳代謝を高めるビタミンB12が豊富に含まれています。
ビタミンEの中でも最も抗酸化作用が強い「α-トコフェロール」を豊富に含むのも米ぬかの特徴で、肌の酸化による老化を防ぐ美容効果があります。
体の様々な働きを調節する、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル類も豊富です。
米ぬかに含まれる食物繊維は、腸内環境を整えて吹き出物などを予防する、デトックス効果があります。
先ほど触れたγ-オリザノールの抗酸化作用は、食品として摂取したときも、シミの予防や改善に役立ちます。
この他に米ぬかには、フィチン酸(抗酸化作用)、イノシトール(神経細胞の正常化)、フェルラ酸(認知症の予防)など、数々の有用成分が含まれています。
米ぬかはどうやって取り入れる?
米ぬかを美容に取り入れるには、食品として摂取する方法と、スキンケアに用いる方法があります。
米ぬかはどこで手に入る?
家庭用の精米機で玄米を精米している人は、毎日新鮮な米ぬかが手に入ります。
スーパーなどに設置されているコイン精米機では、米ぬかを無料で持ち帰れる所が多いようです。
お米屋さんでは、1kg100円前後の安い価格で販売している店があります。
炒った米ぬかを販売しているスーパーもあります。ただしぬか漬用の米ぬかは、塩が含まれているので漬物以外の用途には使えません。
米ぬかは酸化しやすいので、できるだけ新鮮なものを使うことが大切です。
少しずつ入手して、密閉できるビニール袋に入れて、冷蔵庫で保管しましょう。
食事で米ぬかを取り入れるには?
米ぬかを食品として利用するときは、「何かに混ぜる」のが基本です。
またどの料理でも必ずフライパンで炒ってから使用します。
ポピュラーなのは、クッキー、ケーキ、パンを作るときに小麦粉に混ぜる利用法です。
ハンバーグや餃子に入れたり、炒めものに混ぜるのも、よくある利用法です。
米ぬかに、かつお節、ゴマなどを加えて炒める「米ぬかふりかけ」は、いつでも手軽に食べられる便利な一品です。
もちろん、ぬか漬けで、野菜に浸みこんだ米ぬかの成分を取り入れることもできます。
米ぬか化粧品を使ってみる
スキンケアで米ぬかの美容成分を取り入れる、米ぬか化粧品も色々あります。
化粧品に米ぬかを配合するときは、有効成分を抽出した米ぬかエキスが使われます。
化粧品メーカーの他に酒造会社も米ぬか化粧品を作っています。
米ぬか化粧品で代表的なのが、米ぬか化粧水・美容液です。米ぬかセラミド、オリザブラン、γ-オリザノールなどが配合され、保湿効果や抗酸化作用があります。
価格帯は、化粧水が千円台、美容液が二千円台のものが多く、化粧水・美容液としては低価格と言えます。
米ぬかエキスを配合した乳液やクリームも販売されています。
手作りの米ぬかコスメに挑戦!
市販の米ぬか化粧品だけでなく、手作りの米ぬかコスメもおすすめです。
米ぬかパックのやり方は?
米ぬかパックの作り方は、米ぬかと小麦粉を同量混ぜて、水を少しずつ加えながら泥状にします。
日持ちしないので作り置きはせずに、1回毎に作ります。
クレンジング・洗顔の後に顔全体に塗って、5分~10分パックします。
米ぬかはザラザラしているので、強く塗り込むようにすると肌を傷つけます。そっと乗せるように塗りましょう。
入浴時に浴槽に漬かりながらパックすると、血行が良くなっているので効果がアップします。服に付く心配もないのでおススメです。
パック後は、ぬるま湯で洗い流します。このときも擦らないように注意しましょう。洗い流したら、化粧水・乳液などで肌を整えます。
週に1~2回、2週間ほど続けると、潤い効果とスベスベ効果が感じられるはずです。
肌に合うと思ったら、2~3ケ月続けると、美白効果も期待できます。
<関連記事>:美白効果!「牛乳パック」で美肌をつくろう!
米ぬか入浴剤の作り方は?
米ぬか入浴剤の作り方はとても簡単で、カップ一杯200㏄の米ぬかを木綿のハンカチなどで包み、端をゴムで縛るだけです。
体を洗った後にお湯に漬かり、米ぬかの入った袋を、白い成分が出なくなるまで手で揉みます。湯温は40度くらいが適温です。
15分~20分入浴して、ぬるめのシャワーで軽く全身を洗い流します。
入浴後のお湯はすぐに抜きましょう。洗濯に使うことはできません。
米ぬか入浴は週に2回くらいで効果があります。1~2ヵ月続けると、乾燥しやすかった肌がしっとりと潤い、痒みも出なくなります。
他にこんな使い方も!
米ぬか入浴剤のミニサイズを作って、洗顔に使うのもおススメです。
エキスを洗面器のぬるま湯に絞り出して、すすぐように顔を洗います。
米ぬかの入った袋で顔をこするのではなく、使うのは米ぬかエキスが溶けだしたお湯です。米ぬか洗顔の後は、ぬるま湯で軽くすすぎます。
米ぬかを直接肌に付けて洗う方法もありますが、スクラブ効果はあるものの、やりすぎて肌を傷つける心配があるのでおススメできません。
この他に、鍋で米ぬかを入れた水を熱してエキスを取り出す、米ぬか化粧水も手作りできます。
エキスを冷ましてグリセリンを加えて容器に入れます。保存がきかないので、100㏄くらいを作って冷蔵庫で保管します。
まれに米ぬかにアレルギーのある人がいるので、米ぬか美容をする前には、二の腕の皮膚などでパッチテストをしておきましょう。
食品としても、化粧品としても美容・美白効果がある米ぬかは、簡単に手に入る材料でもあり、ぜひ積極的に活用したいものです。
低価格でお財布に優しいというメリットもあります。
- 米ぬかには保湿効果に優れた「米ぬかセラミド」が含まれる
- 抗酸化成分のγ-オリザノールには美白効果がある
- 食品として利用する米ぬかには、数々の美容成分が含まれている
- 米ぬかパックは、シミを予防・改善する美白効果が期待できる
- 米ぬかは、身近で低価格の使いやすい美容成分である
