女性の肌の悩みの中でも、特に気になるのが美白です。
シミやくすみの無い透明感のある肌は、年齢を問わず憧れですよね。
美白に効果があるという成分は数多くありますが、その中でも注目されているのがレチノールという成分です。
今回は、レチノールの持つ美白効果について解説します。
目次
「レチノール」とは?
多くの化粧品に配合されているレチノールですが、これはどんな成分で、どんな効果を期待できるのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
レチノールってどんな成分?
レチノールはビタミンAの一種で、細胞の新陳代謝を促す効果があります。
皮膚や髪を健康的に保つのに欠かせない栄養素で、美白やニキビなどの肌の悩みにも効果を発揮します。
レチノールが不足すると乾燥や肌荒れを引き起こし、肌の免疫力も下がってしまいます。
健康的で美しい肌を作るために、レチノールは欠かせない成分です。
レチノールとトレチノインはどう違う?
レチノール配合の化粧品を調べていると、トレチノインという成分の名前を目にすることがあります。
レチノールとトレチノインはどちらも美白効果のある成分ですが、効果の強さが違います。
レチノールが肌に浸透するとレチノイン酸という成分に変化し、肌のターンオーバーを促します。
このレチノイン酸を効果的に肌に取り入れられるように改良されたものが、「トレチノイン」というビタミンA誘導体です。
トレチノインはレチノールの10倍から100倍という、高い美肌効果が期待できます。
その反面、トレチノインは刺激が強いため、かゆみや赤みといった副作用のリスクがあります。
トレチノインは日本では医師の処方のもとでしか手に入りません。
海外製の化粧品などにはトレチノインが含まれていることもあるため、海外の美白化粧品を使う際には注意が必要です。
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レチノールに美白効果はあるの?
シミを消す効果のあるレチノールですが、「レチノールは美白成分ではない」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。
これは一体どういう事なのでしょうか?
レチノールは「美白成分」ではない?
現在の日本では、厚生労働省が認めた「美白有効成分」以外は、美白効果を謳う事ができません。
美白有効成分とは、「メラニンの生成を抑えシミやソバカスを防ぐ、あるいはこれに類似した効能を表示することが認められた成分」のことを指します。
アルブチン、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸などが代表的な成分ですが、レチノールはこれに含まれていません。
そのためシミを薄くする効果のあるレチノールでも、「美白成分」に分類することができないのです。
レチノールでシミが薄くなるのはなぜ?
レチノールは国が認めた美白成分ではありませんが、シミやくすみを改善する効果が認められています。
レチノールには、年齢によって乱れがちになる肌の新陳代謝(=ターンオーバー)を整える効果があります。
肌の内側で新しい細胞が生まれることで、古い細胞が押し出され、肌が生まれ変わっていくのです。
この過程で、古い細胞とともにシミやくすみが肌の外に排出されるため、明るく美しい肌を手に入れることができるのです。
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他にこんな美肌効果も!
レチノールは美白の他にも、アンチエイジングへの効果が期待できます。
肌の弾力に関わる「線維芽細胞」の生成を促すため、肌にハリを取り戻し、シワを改善することができるのです。
またターンオーバーが整ってくることで、肌の潤い成分が生成されやすくなります。
肌のうるおいは乾燥による小じわを改善するだけでなく、見た目の印象にも大きく関わってくるため、レチノールはエイジングケアにも欠かせない成分と言えるでしょう。
ビタミンAを効率よく摂取するには?
レチノールの効果を最大限に高めるためにはビタミンAを効率よく摂取する必要があります。
化粧品や食事から取り入れる場合は、どういう点に注意すればいいのでしょうか?
レチノール化粧品を使うときのポイント
レチノールは、肌の新陳代謝を促すことで美肌効果を発揮する成分です。
肌のターンオーバーにはおよそ1ヶ月かかるため、化粧品を使い始めてすぐに効果を実感できる訳ではありません。
効果がないからとすぐに辞めるのではなく、最低でも1ヶ月は使い続けるようにしましょう。
化粧品を使うときは、レチノールの浸透を妨げないよう、スキンケアの最初に使うのがポイントです。
レチノールは古い角質を取り除く効果があるため、使用後に肌のバリア機能が低下することがあります。
また、トレチノインに比べると刺激が少ないレチノールですが、副作用のリスクはゼロではありません。
敏感肌や乾燥肌の方、生理中や季節の変わり目などで肌が敏感になりやすい時期は注意しましょう。
ビタミンAを多く含む食材は?
ビタミンAの一種であるレチノールは、食品からも摂取することが可能です。
豚や鶏のレバー、うなぎやイカなどの魚介類のほか、乳製品にも豊富に含まれています。
また緑黄色野菜に多く含まれるカロテンは、体内でレチノールに変化します。
カロテンは必要な量だけレチノールに変換されるため、緑黄色野菜を多くとることはそれほど問題ではありません。
カロテンはにんじん、カボチャ、モロヘイヤなどに多く含まれるため、これらの食材を食べることも、レチノールの摂取に役立ちます。
レチノールやカロテンといったビタミンAは脂溶性なので、油と一緒に取ると吸収率が高まります。
揚げ物や炒め物など、油を使った調理法がおすすめです。
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ビタミンAの摂り過ぎに注意!
脂溶性であるビタミンAは、体に吸収されやすく尿中へ排泄されないという性質があります。
そのため、過剰に摂りすぎると副作用が起こることがあります。
肌の乾燥やかゆみの原因になるほか、食欲不振や発疹などのリスクもあります。
ビタミンAが多く含まれている食品を食べる時は、過剰摂取に気を付けましょう。
- レチノールはビタミンAの一種で、肌の新陳代謝を高める
- レチノールに比べトレチノインは刺激が強いので注意が必要
- レチノールは厚生労働省が定める美白成分ではない
- 肌のターンオーバーを促し、シミやくすみを解消する効果がある
- レチノールを含むビタミンAは過剰摂取に気を付ける
