美白成分「ニコチン酸アミド」とは?



あまり聞き慣れない名前かも知れませんが、「ニコチン酸アミド」は厚生労働省が認可している美白有効成分です。

またこの成分は、食品に含まる栄養素の1つでもあります。


ニコチン酸アミドとはどんなもので、どんな美容効果や健康効果があるのかを解説します。


ニコチン酸アミドとは



ニコチン酸アミドは、「ナイアシン」あるいは「ビタミンB3」とも呼ばれます。

ナイアシンならサプリメントなどの成分として聞き覚えのある人もいるでしょうね。


ニコチン酸アミドとは、どのような性質や作用がある成分なのでしょうか?

タバコのニコチンと関係があるの?

ニコチン酸アミドは、「ニコチン」という名前は付いていますが、タバコの有害物質であるニコチンとは全くの別物で、もちろん似た作用もありません。

ニコチン酸は、ニコチンを酸化するとできることが発見されて、この名がつきましたが、現在では製法も違っています。


ニコチンは神経伝達物質ですが、ニコチン酸アミドは神経には作用しない「ビタミン」です。

ビタミンB群の1つ

ニコチン酸アミドは、美白成分として認められるずっと前から、身体に必須の栄養素として知られていました。

ニコチン酸アミドは、糖質・脂質・タンパク質がエネルギーになるときの代謝に欠かせない成分です。


エネルギー代謝に必須のビタミンとしてはビタミンB群が有名ですが、ニコチン酸アミドはこの働きから「ビタミンB3」とも呼ばれています。

ニコチン酸アミドは、他のビタミンB群と同じ水溶性の成分で、血管拡張作用や高脂血症を改善する作用もあり、医薬品としても利用されています。


<参考サイト>
美容成分辞典-ニコチン酸アミド|資生堂グループ


ニコチン酸アミドの美容効果



ニコチン酸アミドは、2007年に厚生労働省から美白有効成分として認可されて、「薬用」や「医薬部外品」の表示がある美白化粧品に配合されるようになりました。

水溶性の物質なので、化粧水や美容液に配合されています。


美白成分のニコチン酸アミドには、どのような美容効果があるのでしょうか?

メラニン色素が表皮細胞に受け渡されるのを防ぐ

ニコチン酸アミドは、他の美白成分とは違う仕組みで、メラニンを抑制します。

美白成分の多くは、「メラニン生成に必要な酵素チロシナーゼを阻害する」あるいは「メラノサイトを活性化する神経伝達物質を抑制する」という仕組みでメラニンを抑制します。


しかしニコチン酸アミドは、「メラノサイトで作られたメラニンが、表皮細胞に送り出されるのを抑制する」という作用で、肌のメラニン色素を減らします。

したがってニコチン酸アミドは、他の美白成分と組み合せて配合されると、より多くの角度からメラニンの発生を抑制することができ、シミの予防や解消の効果も大きくなることが期待できます。


実際にもニコチン酸アミドは、多くの美白化粧品でビタミンC誘導体などと一緒に配合されています。

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セラミド(細胞間脂質)の合成を助ける

表皮に含まれるセラミドや天然保湿因子(NMF)は、肌の重要な保湿機能を担(にな)っています。

ニコチン酸アミドには、セラミドの合成をサポートする作用があり、肌本来の保湿能力を高めて、乾燥しにくい肌にする効果があります。


ニコチン酸アミドを配合した化粧水や美容液には、保湿成分も含まれているので、二重の保突効果で肌の潤いを保つことができます。

肌の血行を良くする

ニコチン酸アミドは、皮膚の血行を良くする作用があることも実証されています。

皮膚の血行が改善されれば、皮膚に必要な栄養の補給が促進されるのはもちろん、ターンオーバーも活性化するので、日焼けやシミを作っている角質層のメラニンをスムーズに排出することができます。


また血液は、皮膚への重要な水分補給源なので、血行改善は乾燥肌の予防にも役立ちます。

成分の安全性、安定性が高い

ニコチン酸アミドは、他の美白成分に比べて肌への刺激が少なく、使用によって肌が乾燥するリスクもありません。

肌質や年齢を問わずに使える安全性の高い美白成分です


また熱や光、酸・アルカリに対して安定していて、化粧品に配合された場合に使用中に変質する心配もありません。


栄養素としてのニコチン酸アミド



ニコチン酸アミドは、代謝に関わる酵素の働きを助ける「補酵素」として、不可欠の栄養素です。

ニコチン酸アミドは具体的に、私たちの身体でどんな働きをしているのでしょうか?

ニコチン酸アミドの働き

人の体内で働く酵素は2,000種類以上ありますが、そのうちの約2割の400種類が、補酵素としてのニコチン酸アミドの働きを必要としています。

とくに糖や脂肪をエネルギーに変える代謝では、ビタミンB1、B2、B6と共にニコチン酸アミドが欠かせません。


抗酸化作用を発揮するビタミンCやEの働きにも、ニコチン酸アミドの補酵素としての働きが必要です。

ニコチン酸アミドが欠乏すると、皮膚や粘膜が弱くなるほか、神経の働きにも異常が生じます。


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ニコチン酸アミドの健康への効果

ニコチン酸アミドを十分に摂ることで、身体を動かすエネルギーの生産が活発になり、疲労しにくく、疲労したときの回復も早くなります。

また皮膚や粘膜が丈夫になり、乾燥肌や皮膚炎などの肌トラブルを予防する効果もあります。


神経のはたらきを正常化するため、イライラや不眠を解消し、うつ病などの精神疾患にも効果的です。

疲労やストレスによる自律神経の失調、睡眠不足は、どれも美肌の大敵なので、これらの効果はは美容のためにも役に立ちます。

ニコチン酸アミドを含む食品

ニコチン酸アミドは肉類や魚に豊富に含まれる他、人の体内でも作られるので、バランスの良い食事をしている限り欠乏する心配はあまりありません。

しかし偏った食事をしたり、極端なダイエットをすると不足する可能性があります。


食事で摂る必要があるニコチン酸アミドの1日の摂取量は、体重60kgの成人で15mg前後とされています。

これは肉類では、鶏ささみ150g、牛・豚肉約200gに含まれる量で、魚では、マグロの赤身100g、サバ・イワシ150gに含まれる量です。


肉・魚以外に、大豆製品、玄米、ナッツ類、玄米にも比較的豊富に含まれています。

ニコチン酸アミドは、熱には強い性質がありますが、水溶性で煮汁に溶け込むので、汁を食べない料理では何割かは失われます。


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ニコチン酸アミドは、他の美容成分とは少し違う角度から、メラニンを抑制する効果があります。

体の内と外から美白に活用したい成分です。


<美白成分「ニコチン酸アミド」とは? まとめ>

  • ニコチン酸アミドは厚生労働省が認可した美白有効成分である
  • ニコチン酸アミドは、メラニンの表皮への受け渡しを抑制して美白する
  • ニコチン酸アミドは、刺激の少ない安全性の高い美白成分である
  • ビタミンB群の1つで、食品としても健康・美容効果が高い
  • ニコチン酸アミドが欠乏すると、皮膚が弱くなるほか、イライラや不眠が生じる